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資金繰り

セーフティネット保証とは?1号〜8号の違いと利用条件をわかりやすく解説

セーフティネット保証とは何か、1号〜8号の認定区分の違い、最も利用される5号保証の要件、利用の流れ(認定→金融機関→保証協会→融資実行)、メリット・デメリット、緊急時の限界と他手段との併用を解説します。

編集・運営:ファクサポ編集部公開日 2023.10.09最終更新 2025.04.11

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「セーフティネット保証という制度があると聞いた」「金融機関から1号〜8号の認定を勧められた」——資金繰りが厳しい中小企業にとって、知っておく価値のある公的支援制度です。

結論から言うと、セーフティネット保証は経営環境悪化で資金繰りが厳しくなった中小企業向けに、信用保証協会が通常とは別枠で保証を行う制度です。1号〜8号まで認定区分があり、それぞれ対象となる経営環境悪化の事由が異なります。最も利用が多いのは5号保証(指定業種の売上減少)です。

この記事では、セーフティネット保証とは何か、1号〜8号の違い、利用の流れ、注意点を整理します。

セーフティネット保証とは

セーフティネット保証とは、経営環境の悪化によって資金繰りが厳しくなった中小企業を支援するための公的制度です。中小企業信用保険法に基づき、信用保証協会が通常保証とは別枠で保証を行うことで、金融機関から融資を受けやすくする仕組みです。

通常の信用保証付き融資との主な違いは次のとおりです。

  • 対象事由:大規模倒産・取引先の業況悪化・災害・指定業種の売上減少など、外部要因による経営悪化
  • 保証枠:通常保証とは別枠(無担保8,000万円+有担保2億円が目安・上限は制度により異なる)
  • 保証料率:制度により異なるが、通常より優遇されるケースあり
  • 認定:市区町村による事前認定が必要

なぜセーフティネット保証があるのか

中小企業は、自社の経営努力ではコントロールできない外部要因(景気悪化・災害・取引先倒産・原材料高騰など)の影響を受けやすい存在です。

こうした外部要因による経営悪化を支援するために、通常保証とは別枠の保証制度として設けられています。「経営者の責任ではない事由」が対象になる、というのが基本思想です。

1号〜8号の違い

セーフティネット保証は、認定事由(経営環境悪化の原因)によって1号〜8号に分かれます。

1号保証:大規模倒産

大企業の倒産による連鎖的影響を受けた中小企業が対象。経済産業大臣が個別に指定する企業が倒産した場合に発動します。

2号保証:取引先の事業活動制限

主要取引先の事業縮小・撤退・廃業などにより、自社の売上が大きく減少した中小企業が対象。

3号保証:突発的災害(事故等)

突発的な災害や事故(火災・大規模事故など)による影響を受けた特定地域の中小企業が対象。

4号保証:自然災害

地震・台風・豪雨・洪水などの自然災害による被害を受けた中小企業が対象。被災地が国により指定されます。

5号保証:業況悪化業種(指定業種)

最も利用件数が多いのがこの5号です。

  • 対象:国が定める「指定業種」に属する中小企業
  • 要件:売上高が前年同期比で5%以上減少(目安)している
  • 指定業種:四半期ごとに見直され、業況悪化が顕著な業種が指定される

建設業・製造業・運送業・卸売業・飲食業など、業況悪化局面で指定されることが多くあります。

6号保証:金融機関の経営破綻

取引金融機関の破綻による影響を受けた中小企業が対象。利用は稀です。

7号保証:金融機関の貸出抑制

特定金融機関の貸出縮小による影響を受けた中小企業が対象。

8号保証:整理回収機構への債権譲渡

金融機関から整理回収機構(RCC)に債権が譲渡された企業が対象。利用ケースは比較的限定的です。

最も利用される5号保証の詳細

中小企業の経営者にとって、まず押さえたいのは5号保証です。

認定要件(代表的なパターン)

1. 指定業種に属している(国の指定リストで確認) 2. 直近3か月の売上高が前年同期比5%以上減少(イ・ロ・ハの判定方式あり) 3. 市区町村に認定申請

判定方式

  • (イ):直近3か月平均売上高が前年同期比5%以上減少
  • (ロ):原油価格上昇分の20%以上を価格転嫁できていない+売上総利益率や営業利益率が前年同期比で減少
  • (ハ):上記類似のパターン

実際の判定は複雑なので、市区町村の窓口・金融機関・税理士と相談しながら進めるのが現実的です。

セーフティネット保証のメリット

① 融資を受けやすくなる

信用保証協会が保証することで、金融機関の融資判断が出やすくなります。

② 通常保証とは別枠で利用できる

すでに通常保証付き融資を利用している企業でも、追加で別枠を確保できます。

③ 資金繰り改善につながる

運転資金の確保で、目の前の支払い(税金・社会保険料・給与・仕入)に対応できる余地が広がります。

関連記事資金繰りが限界の時に整理したいこと

セーフティネット保証のデメリット・注意点

① 必ず融資が通るわけではない

セーフティネット保証は保証制度であり、金融機関の融資承認を保証するものではありません。保証協会・金融機関の二段階審査が前提です。

② 認定〜融資実行まで時間がかかる

  • 市区町村への認定申請:数日〜2週間程度
  • 金融機関への申込・審査:2〜4週間
  • 信用保証協会の保証審査:1〜2週間
  • 融資実行:全体で1〜2か月程度

緊急の資金調達には向きません。

③ 必要書類が多い

決算書・試算表・売上推移表・資金繰り表・事業計画など、準備に時間がかかる書類が複数必要です。

④ 借入である

セーフティネット保証付き融資は通常の借入で、毎月の返済義務があります。返済原資の見通しが立っていない場合は、根本的な改善が必要です。

関連記事ビジネスローンとは?

利用の流れ(代表的なパターン)

① 市区町村への認定申請

本店所在地の市区町村窓口で、認定区分(1号〜8号)に応じた申請書を提出します。

② 認定書の受領

要件を満たしている場合、市区町村から認定書が発行されます。

③ 金融機関への融資相談

認定書を持って、取引金融機関に融資を申し込みます。

④ 信用保証協会の保証審査

金融機関経由で信用保証協会へ保証申込が行われます。

⑤ 融資実行

保証承認後、金融機関から融資が実行されます。

急ぎの資金調達には向かない

セーフティネット保証は中長期の運転資金確保に有効ですが、「来週の給与支払い」「今月末の納税」には間に合わないことがほとんどです。

緊急の資金需要には、別の手段との併用が現実的です。

  • 売掛金がある場合:ファクタリングで早期資金化(最短即日)
  • ビジネスローン:数日〜1週間で実行可能な商品もある
  • 税務署・年金事務所への猶予相談:納税・社保支払いの一時延期
関連記事売掛金を現金化する方法5選 関連記事消費税が払えないとどうなる?

認定後にやるべきこと

セーフティネット保証で融資が実行されても、根本的な改善を進めないと再び資金繰りが厳しくなります。

  • 資金繰り表の作成・月次更新
  • 不採算事業の見直し
  • 入金サイトの管理・短縮交渉
  • コスト構造の最適化
  • 事業再生計画の策定(必要に応じて)
関連記事資金繰り表の作り方|エクセル・テンプレート 関連記事事業再生計画とは?

よくある質問

赤字でも利用できますか?

可能なケースがあります。セーフティネット保証は外部要因による経営悪化が対象で、赤字そのものが理由で利用が拒否されることは原則ありません。ただし、金融機関の融資審査では返済能力が見られます。

個人事業主も利用できますか?

対象になる場合があります。中小企業基本法の中小企業者の定義に該当する個人事業主は、認定区分により利用可能です。

コロナ融資(ゼロゼロ融資)と同じですか?

異なります。コロナ融資は新型コロナ対策の特例制度で、セーフティネット保証4号・5号を活用した制度設計がされていました。両者は別制度として整理されます。

申請してから融資実行まで何日くらいですか?

書類が揃っていて市区町村・金融機関・信用保証協会の手続きがスムーズに進むケースで約1〜2か月が目安です。緊急時には別の手段との併用が現実的です。

まとめ

セーフティネット保証は、経営環境悪化で資金繰りが厳しくなった中小企業を支援する重要な公的制度です。1号〜8号まで認定区分があり、特に5号保証(指定業種の売上減少)が利用件数の多い区分になります。

通常保証とは別枠で利用できるメリットがある一方、認定〜融資実行まで1〜2か月かかるため、緊急時には別の資金調達手段との併用が現実的です。認定後は根本的な経営改善を進めることで、再び資金繰り悪化に陥らない体制を整えましょう。

具体的な経営判断は税理士・中小企業診断士などの専門家にもご相談のうえ、緊急の売掛金資金化を検討する場合は必要に応じてファクタリング会社の比較もご覧ください。

編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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