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資金繰り

事業再生計画とは?会社を立て直すために必要な考え方と進め方を解説

事業再生計画とは何か、倒産・法的整理との違い、必要になる会社の状況、整理する4項目(資金/利益/不採算/借入)、進め方の4ステップ、よくある失敗、専門家・公的窓口活用まで中小企業向けに解説します。

編集・運営:ファクサポ編集部公開日 2023.11.10最終更新 2025.04.21

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「資金繰りが厳しい」「赤字が続いている」「銀行融資が難しくなってきた」——こうした状況で会社を続けるための選択肢として注目されるのが、事業再生計画です。

結論から言うと、事業再生計画とは倒産・廃業を前提とせず、会社を残しながら経営改善を進めるための計画です。経営者の感覚ではなく数字に基づく改善計画で、早い段階で動けば動くほど選択肢が広がります。

この記事では、事業再生計画とは何か、必要になる会社の状況、整理する項目、進め方の4ステップ、そしてよくある失敗を整理します。

事業再生計画とは

事業再生計画とは、経営不振や資金繰り悪化に陥った会社が、事業を継続しながら経営改善を目指すための計画です。倒産や廃業を前提とするものではなく、「会社を残すための計画」と言えます。

具体的には次のような構成になります。

  • 現状分析:財務状況・キャッシュフロー・事業別収支
  • 問題点の洗い出し:なぜ赤字/資金繰り悪化に陥ったかの構造的理由
  • 改善策(行動計画):収益改善・コスト削減・資金調達・事業整理
  • 数値計画:売上・利益・キャッシュフローの月次/年次目標
  • モニタリング:計画進捗の月次確認・必要に応じた見直し

経営者一人で作るより、税理士・中小企業診断士・金融機関と一緒に作るのが基本です。

事業再生が必要になる会社の状況

次のような状況に当てはまる場合、事業再生を検討する段階に入っている可能性があります。

  • 資金繰りが慢性的に厳しい
  • 借入返済が利益を圧迫している
  • 2期以上連続で赤字決算
  • 取引先や金融機関への支払いを遅らせている
  • 銀行融資が断られる/条件が悪化している
  • 倒産兆候のサインが複数出ている
関連記事倒産兆候10サイン

倒産と事業再生の違い

混同されやすいので整理します。

  • 倒産:事業の継続が困難になり、清算や民事再生・破産手続きに入る状態
  • 事業再生:会社を存続させながら改善を進める取り組み

つまり、倒産の手前で動くのが事業再生であり、事業再生が間に合わなかった場合の最終手段が倒産という関係です。「事業再生=倒産」ではない点を最初に押さえる必要があります。

関連記事黒字倒産とは?利益が出ているのに倒産する理由

なぜ事業再生計画が必要なのか

経営者の感覚や勘だけで立て直そうとすると、多くの場合は失敗します。理由は次の3つです。

① 数字を見ないと打ち手が選べない

「売上を増やす」「コストを下げる」だけでは具体性がなく、何にいつ取り組むかが見えません。月次の財務・キャッシュフロー数値を起点にしないと、改善は進みません。

② 金融機関・取引先との交渉に必要

リスケジュール(返済条件変更)や支払条件の見直しを交渉する場面では、書面化された再生計画が信頼の根拠になります。

③ 経営者自身の意思決定の質を上げる

計画があると、「不採算事業を続けるか」「人員を見直すか」など、感情に流されにくい判断ができるようになります。

事業再生計画で整理する4項目

① 現在の資金状況

まず確認するのは現金です。

  • 預金残高(全口座合算)
  • 売掛金(取引先別・回収サイト別)
  • 買掛金(支払予定別)
  • 借入金(金融機関別・残高・月次返済額)
  • 今後6か月の支払予定

② 利益構造

何が利益を生み、何が利益を圧迫しているのかを事業別・取引先別に分解します。

  • 事業別の粗利・営業利益
  • 取引先別の収益貢献度
  • 固定費の内訳(人件費・賃料・水道光熱費・通信費・その他)

③ 不採算事業・低利益取引

赤字事業を放置すると再生は難しくなります。「やめる」「絞る」「条件変更」のいずれかで対処します。

④ 借入状況

返済負担が利益を圧迫していないかを確認します。

  • 短期借入と長期借入の比率
  • 月次返済額と月次キャッシュフローの対比
  • リスケジュールの余地

事業再生の4ステップ

ステップ1 現状分析

預金・売掛・買掛・借入を今日の数値で集めます。3〜6か月先までの資金繰り表を作成し、不足月を特定します。

関連記事資金繰り表の作り方|エクセル・テンプレート

ステップ2 問題点の洗い出し

「なぜ赤字/資金繰り悪化に陥ったか」を構造的に整理します。

  • 売上減少:市場・取引先・商品要因の切り分け
  • 粗利低下:仕入価格・販売価格・取扱商品
  • 人件費増加:適正人員と工数の比較
  • 借入過多:返済負担と利益の対比
  • 外部要因:原油高・為替・取引先動向

ステップ3 改善策の立案

具体的な行動計画を作ります。「いつ・誰が・何を」を明示します。

  • 売上改善:価格改定・新規開拓・既存深耕
  • コスト削減:固定費見直し・仕入交渉・人員適正化
  • 資金調達:銀行融資・公庫・ファクタリング・補助金
  • 事業整理:不採算事業の縮小・撤退
  • 借入対応:リスケジュール・借換

ステップ4 実行とモニタリング

計画は作るだけでは意味がありません。月次で進捗を確認し、必要に応じて見直すサイクルが必須です。

専門家・公的支援の活用

事業再生は、経営者だけで進めるより、外部の専門家や公的窓口と並行で進めるのが現実的です。

  • 税理士・公認会計士:財務分析・数値計画の作成
  • 中小企業診断士:経営戦略・事業整理
  • 弁護士:法的整理(私的整理・民事再生)の検討
  • 中小企業活性化協議会:経営改善計画・事業再生の公的窓口(都道府県別)
  • よろず支援拠点:中小企業庁の無料相談
  • 金融機関:リスケジュールや借換の相談

「相談=倒産確定」ではなく、早く相談するほど選択肢が広がるのが原則です。

売掛金が多い会社の再生方法

建設業・人材派遣・広告代理店・IT受託・運送業などでは、売上はあるのに現金が不足するケースが構造的に多くなります。

このパターンでは、事業再生の打ち手として売掛金の回収改善・早期資金化が選択肢になります。

  • 入金サイトの短縮交渉
  • 前受金・分割入金の契約変更
  • ファクタリング(売掛金の売却で早期資金化)
関連記事売掛金を現金化する方法5選 関連記事請求書のみでもファクタリングは利用できる?

ただし、ファクタリングを毎月の常用にすると未来の入金を前倒し続ける構造になります。短期つなぎ+中長期の構造改善を組み合わせるのが本筋です。

関連記事ファクタリングを使うべきではないケース

よくある失敗3パターン

① 売上だけを追う

利益が伴わなければ、売上を増やすほど運転資金が膨らみ、資金繰りはむしろ悪化します。粗利・営業利益を起点に判断するのが基本です。

② 借入で延命するだけ

短期高金利の借入を繰り返すと、月々の返済負担で根本問題が悪化します。借入の借入は典型的な悪化パターンです。

③ 現状把握をしない

数字を見ない経営判断は、危機局面で最も危険です。感覚ではなく月次の数値で判断するサイクルを作ることが、再生の出発点です。

やってはいけないこと

取引先・金融機関に黙ったまま遅延を続ける

連絡を絶つと、信用回復の余地がなくなります。誠実な状況説明と改善計画の提示が、信頼関係を残す唯一の道です。

経営者個人の資金を限界まで投入

私財投入は一時的な凌ぎになりますが、根本問題は解決しません。個人責任の最小化を視野に、早めに弁護士・専門家に相談するのが現実的です。

「いつか良くなる」と先延ばしする

時間そのものが選択肢を狭めます。3か月以上、状況が改善していないなら外部相談を始めるのが原則です。

よくある質問

赤字会社でも事業再生できますか?

可能です。むしろ多くの事業再生は赤字企業を対象としています。重要なのは「赤字の構造的原因が分かっているか」「改善可能性があるか」です。

倒産寸前でも間に合いますか?

状況によります。早い段階ほど選択肢が増えるのが原則で、資金が完全に尽きてからだと法的整理(民事再生・破産)しか選べないケースもあります。

民事再生と事業再生は違いますか?

民事再生は裁判所を通じた法的手続きです。事業再生はより広い概念で、私的整理(裁判所を介さない)を含みます。中小企業活性化協議会を通じた手続きは私的整理の代表例です。

専門家へ相談するタイミングは?

今日です。資金繰りに不安を感じた時点で、税理士・中小企業診断士・中小企業活性化協議会への相談を始めるのが最も選択肢を残せる行動です。

まとめ

事業再生計画とは、会社を存続させながら経営改善を進めるための計画です。重要なのは、現状把握→問題点洗い出し→改善策→実行数字に基づいて進めることです。

多くの会社は倒産直前ではなく、その数か月〜1年前の段階で改善できる余地があります。「まだ何とかなる」と感覚で判断するのではなく、まずは数字を整理し、必要に応じて外部の専門家を頼ることから始めましょう。

具体的な経営判断は税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家にもご相談のうえ、緊急の売掛金資金化を検討する場合は必要に応じてファクタリング会社の比較もご覧ください。

編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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