経営・資金繰り
資金繰りが苦しい会社が最初にやるべきこと|経営者向けチェックリスト
資金繰り危機の最初の72時間で経営者がやるべきことをチェックリスト形式で整理。預金残高・売掛金・支払予定・借入の把握、資金繰り表作成、支払い優先順位、原因特定、短期/中期/長期の対策まで網羅します。
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「資金繰りが限界に近い」「今月を乗り切れるか不安」「何から手を付ければいいかわからない」——資金繰りが急速に悪化した経営者が必ず直面する悩みです。
結論から言うと、資金繰りが苦しいとき最初にやるべきは「お金を借りること」ではなく「現状を数字で把握すること」です。現状が見えなければ、いくら足りないか・どの手段が必要かが判断できません。
この記事では、資金繰り危機の最初の72時間で経営者がやるべきことを、チェックリスト形式で整理します。
まず知ってほしいこと
資金繰りが苦しくなると、経営者は焦って次の行動に出がちです。
- 売上を増やさなければ
- 営業を強化しなければ
- 借入を増やさなければ
しかし、これらは最初にやるべきことではありません。焦って動くほど、判断ミスのリスクが高まります。
最初にやるべきは、現状の数字を正確に把握することです。
資金繰り悪化で最も危険なのは「現状がわからないこと」
多くの会社は「お金が足りない」とは認識しています。
しかし、
- いくら足りないのか
- いつ足りなくなるのか
- どの支払いが間に合わないのか
を具体的な金額・日付で把握していないケースが大半です。
現状が見えなければ打ち手も決まりません。まず数字を確認することが最優先です。
最初に確認するチェックリスト
紙でもExcelでも構いません。次の数字を1〜2時間以内に書き出します。
① 預金残高
普通預金・当座預金・定期預金など、すべての口座の現在残高を把握します。
② 売掛金
- 取引先別の売掛金残高
- 入金予定日
- 入金予定額
特に今月・来月の入金予定を正確に把握します。
③ 支払予定
- 仕入代金
- 外注費
- 給与
- 賃料
- 通信費
- リース料
- 借入返済
いつ・いくら・どこに支払う必要があるかを書き出します。
④ 借入返済
- 借入先(銀行・信用金庫・公庫・カードローン等)
- 毎月返済額
- 残高
- 返済期限
⑤ 税金
- 消費税(中間納付・確定申告)
- 法人税
- 源泉所得税
- 住民税(特別徴収)
- 固定資産税
いつ・いくらの納付期限が来るかを確認します。
⑥ 社会保険料
- 健康保険・厚生年金
- 雇用保険・労災保険
未払いがないか、今月の納付額はいくらかを確認します。
このチェックリストを埋めるだけで、現状が一気に明確になります。
ステップ① 資金繰り表を作る
最優先のアクションです。
資金繰り表とは、現預金の入出金を時系列で表にしたものです。
- 日次・週次の入出金予定
- 月末・翌月末の予測残高
- ショート(残高がマイナスになる)日付の特定
資金繰り表がない会社は、夜道をライトなしで走っている状態です。今すぐ作る価値があります。
関連記事資金繰り表の作り方|エクセル・テンプレートステップ② 今後3か月を見る
多くの経営者は「今日・明日」しか見ていません。資金ショートは3か月先に潜んでいることが多くあります。
- 1か月後の残高はいくらか
- 2か月後の支払いは何があるか
- 3か月後の入金予定はどうか
3か月先のショート月を予測することで、対策を打つ時間が確保できます。
ステップ③ 売上ではなく現金を見る
経営者が陥りやすい罠があります。
- 売上は増えている
- ↓
- 安心する
- ↓
- 現金は減り続ける
- ↓
- 気づいたときには資金ショート
これが黒字倒産の典型例です。売上と現金は別物だと認識する必要があります。
関連記事黒字倒産とは?利益が出ているのに倒産する理由ステップ④ 支払いの優先順位を整理する
資金不足時には支払いに優先順位をつける必要があります。一般的な優先順位の考え方:
最優先(絶対に守る)
- 給与(従業員の生活・信用問題)
- 仕入れ(事業継続の前提)
- 税金・社会保険料(滞納すると差押えリスク)
次に優先
- 借入返済(リスケ交渉の余地あり)
- 賃料(交渉余地あり)
交渉余地が大きい
- 取引先支払い(支払いサイト延長交渉)
- 設備リース(支払い猶予交渉)
ただし、優先順位は業種・状況によって異なります。税理士や中小企業診断士に相談しながら判断するのが安全です。
ステップ⑤ 原因を特定する
資金不足には必ず原因があります。
- 売上減少:既存取引の縮小・顧客離脱
- 利益率低下:原材料高騰・人件費上昇・価格転嫁できず
- 入金遅延:取引先の支払い遅延・サイト長期化
- 借入過多:返済負担が利益を圧迫
- 急成長:売上が伸びて運転資金が追いつかない
- 季節要因:売上の谷と支払いのピークの重なり
原因によって対策は全く異なります。「資金がない」ではなく「なぜ資金がないか」を特定することが、正しい打ち手につながります。
関連記事コロナ融資が返済できない時の対処法資金繰りが苦しい会社の共通点
危機に陥る会社の共通点を整理します。当てはまる項目が多いほど、構造的な改善が必要です。
- 資金繰り表がない
- 利益率を案件別に把握していない
- 売掛金の入金管理が甘い
- 現金残高を週次で見ていない
- 取引銀行とのコミュニケーションが少ない
- 顧問税理士に相談していない
やってはいけない行動
資金繰り危機で取ってはいけない行動もあります。
問題を放置する
時間が経つほど選択肢は減ります。早期発見・早期対応が原則です。
借入で借入を返す(自転車操業)
返済原資のない借入は、問題を先送りしながら拡大させるだけです。リスケ・条件変更の交渉を優先します。
税金・社会保険料を無視する
差押えリスクが最も高い債権です。納付できない場合は、必ず事前に税務署・年金事務所に相談します。猶予制度があります。
一人で抱え込む
経営者が孤立すると判断が偏ります。税理士・中小企業診断士・よろず支援拠点などに早めに相談します。
関連記事資金繰りを誰にも相談できない時今月を乗り切るために必要なこと
まずは「いくら足りないのか」を1円単位で把握します。
- 100万円不足 → 短期の支払い猶予交渉で乗り切れる可能性
- 300万円不足 → 売掛金の早期資金化(ファクタリング)が現実的
- 1,000万円不足 → 銀行融資・リスケ・公的支援の組み合わせが必要
金額が分かれば、現実的な選択肢が決まります。漠然とした不安より、具体的な数字の方が対策を立てやすくなります。
ファクサポが考える資金繰り改善の順番
短期と中長期を分けて考えます。
短期(1〜3か月)
- 現状把握(資金繰り表作成)
- 支払い優先順位の整理
- 取引銀行・税務署への相談
- 売掛金の早期資金化(必要に応じて)
中期(3〜12か月)
- 利益率改善(値上げ・不採算整理)
- 入金サイト短縮
- 固定費削減
長期(1年以上)
- 事業モデルの見直し
- 顧客分散
- 手元資金の積み上げ(月商1〜2か月分)
短期で時間を作り、中長期で構造を変える——この順番が経営改善の王道です。
関連記事ファクタリングは経営改善になる?よくある質問
売上があるのに苦しいのですが
黒字倒産の可能性があります。利益と現金は別物です。売上ではなく現預金残高で経営を見る習慣をつける必要があります。
銀行へ相談するべきですか?
早めの相談が原則です。資金ショートが目前に迫ってからではなく、3か月以上の余裕がある段階で相談する方が、リスケ・追加融資ともに選択肢が広がります。
ファクタリングは有効ですか?
一時的な資金不足には有効です。ただし、慢性的な赤字を埋めるためのファクタリング利用は危険です。経営改善のための時間を買う手段として、計画的に使う必要があります。
顧問税理士に相談しづらいのですが
決算書・試算表を作っている税理士は、会社の状況を最もよく知っている専門家です。資金繰り危機こそ早めに共有すべき相手です。
関連記事資金繰りを税理士に相談しづらい時廃業した方が良いか迷っています
すぐ判断する必要はありません。事業継続価値・第三者承継・公的支援などの選択肢を整理してから判断してください。
関連記事会社を畳むか迷っている時の判断軸まとめ
資金繰りが苦しくなったとき、最初にやるべきことはお金を借りることではありません。
優先順位:
- 預金残高・売掛金・支払予定・借入を正確に把握する
- 資金繰り表を作って3か月先までの動きを見える化する
- 支払いの優先順位を整理する
- 不足額を1円単位で特定する
- 原因を分析して正しい打ち手を選ぶ
現状が見えれば、打てる手も見えてきます。焦るほど、まず数字を確認することが大切です。
短期の資金繰り手段として売掛金の早期資金化を検討する場合はファクタリング会社の比較で各社の条件を確認できます。
編集部より(ご利用上の注意)
本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。
参考(一般的な公的情報源)
記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省・財務省・国税庁・厚生労働省・金融庁・中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。
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