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経営・財務

運転資金の計算方法|必要運転資金を3分で計算する方法

中小企業経営者向けに必要運転資金の計算方法を解説。基本式(売掛金+在庫-買掛金)と実務式(回転日数ベース)、業種別の必要運転資金の目安、増加原因、改善方法までを具体的な数値例で整理します。

編集・運営:公開日 2020.12.12最終更新 2024.05.02

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運転資金とは、会社を回すために必要なお金です。利益ではなく現金です。

給与・外注費・家賃・仕入代金などを支払うために必要で、運転資金が不足すると売上があっても会社は止まります。これが黒字倒産です。

最も基本的な計算式

必要運転資金は次の式で求められます。

必要運転資金 = 売掛金 + 在庫 − 買掛金

各項目の意味

  • 売掛金: まだ入金されていない売上
  • 在庫: まだ現金化していない商品
  • 買掛金: まだ支払っていない仕入

計算例

  • 売掛金: 500万円
  • 在庫: 300万円
  • 買掛金: 200万円

500 + 300 − 200 = 600万円

必要運転資金は600万円です。売掛金と在庫はまだ現金ではないため、その差額を埋めるために600万円分の運転資金を持っておく必要があります。

実務でよく使う計算方法

より正確には、日数ベースで計算します。売掛債権回転日数・在庫回転日数・買掛金回転日数を使います。

必要運転資金 = (売上高 ÷ 365) × (売掛金回転日数 + 在庫回転日数 − 買掛金回転日数)

銀行融資でもよく使われる式です。詳細は売掛金回転期間在庫回転期間で整理しています。

業種別の必要運転資金の目安

| 業種 | 必要運転資金水準 | 主な理由 | |---|---|---| | 建設業 | ★★★★★ | 入金サイト60〜120日、外注費先払い | | 製造業 | ★★★★★ | 原材料費先払い、在庫負担大 | | 卸売業 | ★★★★☆ | 売掛金管理が肝心 | | 人材派遣 | ★★★★★ | 給与先払い・派遣料後払い | | 飲食店 | ★★☆☆☆ | 現金商売中心で小さい | | 小売店 | ★★☆☆☆ | 現金回転が早い |

業種別の構造的な論点は建設業の資金繰りなどの業種記事で個別解説しています。

月商別のシミュレーション

月商300万円(年商3,600万円)の場合

仮に売掛金回転日数60日、在庫回転日数30日、買掛金回転日数30日とすると、

(3600万 ÷ 365) × (60 + 30 − 30) = 約592万円

月商の約2か月分の運転資金が必要、という目安になります。

月商3,000万円(年商3.6億円)の場合

同じ条件で計算すると、約5,920万円の運転資金が必要です。月商の2か月分という比率は変わりません。

つまり売上が増えると運転資金需要も比例して増加します。

運転資金が増える原因

  • 売掛金の増加(回収サイトの長期化)
  • 在庫の増加(過剰仕入れ・売れ残り)
  • 入金サイトの長期化(取引先の経営悪化等)

危険サイン

売上増加→運転資金増加→現金不足、という流れは成長企業ほど起こります。利益が出ていても、運転資金が増えれば現金は減ります。

よくある勘違い

「売上が増えれば安心」

違います。売上増加は運転資金増加でもあります。

「利益が出れば安心」

違います。現金が必要です。詳細は損益と資金繰りの違いで解説しています。

改善方法

① 売掛金回収を早める

入金サイトの短縮交渉、請求の早期発行、ファクタリングによる早期現金化が選択肢です。

② 在庫を減らす

過剰在庫の処分、発注ロットの見直しが基本です。詳細は在庫回転期間で整理しています。

③ 買掛条件を改善する

支払いサイトの延長交渉も選択肢です。ただし取引先との関係性に依存します。

経営者が毎月確認する数字

  • 売掛金残高
  • 在庫残高
  • 買掛金残高
  • 現金残高
  • 必要運転資金(計算結果)

月次決算で必ず確認します。詳細は月次決算の進め方を参照してください。

運転資金が足りない時の3つの選択肢

必要運転資金を計算した結果、自社の現金で足りない場合は次の3方向で並行検討します。

① 銀行への短期融資相談

主力取引銀行で運転資金融資・当座貸越枠の活用ができる場合があります。決算書と資金繰り表を準備して相談すると判断が早まります。

② 公的支援制度

日本政策金融公庫の運転資金融資、信用保証協会の保証付き融資が選択肢です。金利が低い反面、審査に時間がかかります。

③ 売掛金の早期現金化(ファクタリング)

入金待ちの売掛金がある場合、ファクタリングで期日前に現金化する選択肢があります。手数料は2社間で5〜20%、3社間で1〜9%が一般的な相場です。ファクタリング会社の比較で各社の条件を確認できます。

編集部の見立て

運転資金は借金額ではなく、会社が生きるための血液です。

利益より先に必要運転資金を把握することで、資金ショートの多くは防げます。編集部から強く伝えたいのは「毎月の運転資金額を一度書き出す」という1つの習慣です。これだけで資金繰りの見え方が変わります。

まとめ

運転資金とは会社を回すために必要な現金です。計算式は「売掛金 + 在庫 − 買掛金」で、この数字を把握していないと黒字でも資金ショートする可能性があります。

まずは自社の必要運転資金を計算してみましょう。次の記事では損益分岐点の出し方を解説します。

シリーズ全体は中小企業の数字経営入門で整理しています。

よくある質問

A

業種によって異なります。まずは「売掛金 + 在庫 − 買掛金」で計算してみてください。

編集部より(ご利用上の注意)

本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。

参考(一般的な公的情報源)

記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省財務省国税庁厚生労働省金融庁中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。

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