経営・財務
月次決算の進め方|中小企業でも3営業日で数字を締める方法
中小企業が月次決算を3営業日で締めるための実務手順を解説。1日目〜3日目の具体タスク、月次決算で確認すべき項目、業種別の追加チェック、クラウド会計を活用した早期化のコツ、月次決算チェックリスト雛形を整理します。
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多くの中小企業は月次決算が遅いのが実情です。翌月末に前月の数字を見る、ひどい場合は2か月後——これでは経営判断が遅れます。
この記事では、中小企業でも実践できる3営業日締めの月次決算の手順を解説します。
月次決算とは
毎月の業績を締める作業です。売上・利益・現金残高を確認します。
経営は数字で判断するもの。しかし数字が遅いと判断も遅れます。
なぜ3営業日なのか
異常を早く発見できるからです。利益悪化・資金不足・売上減少を即座に把握できます。
「翌月末に前月の数字を見る」では、対策を打つタイミングが遅すぎます。
月次決算で確認する項目
- 売上高
- 売上総利益(粗利益)
- 営業利益
- 現金残高
- 売掛金残高
- 買掛金残高
- 在庫残高
3営業日で締める実務フロー
1日目: 売上と入金の確定
- 前月分の売上集計
- 請求書の発行完了確認
- 入金確認(振込通帳と請求書突合)
- 売掛金残高の確定
ポイントは「月末日の請求書を月内に発行する」体制を作ることです。
2日目: 経費と仕訳の確定
- 経費領収書の集計
- 月末締めの未払計上
- 仕訳の最終確認
- 買掛金残高の確定
- 在庫の棚卸し(必要に応じて)
ポイントは「領収書を当月中に経理に集める」ルールを徹底することです。
3日目: 数字の確認と分析
- PL(損益計算書)の確認
- BS(貸借対照表)の確認
- 資金繰りの確認
- 前月・前年同月との比較
- 経営ダッシュボードの更新
ポイントは「前月比較で異常を見つける」視点を持つことです。
月次決算チェックリスト雛形
毎月同じ項目を同じ順番で確認することが、効率化と見落とし防止のコツです。
- [ ] 売上高(前月比・前年同月比)
- [ ] 売上総利益率(変動はないか)
- [ ] 営業利益(損益分岐点を超えているか)
- [ ] 現金残高(月初・月末の推移)
- [ ] 売掛金残高(増減と回転期間)
- [ ] 在庫残高(増減と回転期間)
- [ ] 借入金残高(返済進捗)
- [ ] 自己資本比率と流動比率
- [ ] 翌月の支払い予定の確認
月次決算で見るべき数字
利益だけではありません。重要なのは前月比較です。
例: 売上1,000万円 → 950万円、利益100万円 → 20万円。この変化が重要です。
利益の変化幅が売上の変化幅より大きい場合、固定費の重さが顕在化しています。詳細は損益分岐点の出し方を参照してください。
業種別の追加チェック項目
建設業
- 工事別利益
- 未成工事支出金
- 完成工事未収入金
- 売掛金回収状況
製造業
- 在庫増減
- 原価率
- 設備稼働率
- 仕掛品残高
飲食業
- 人件費率
- 原価率(FL比率)
- 客単価・客数
- 食材ロス率
IT・受託
- 売掛金回転期間
- 受注残高
- 稼働率
- 案件別損益
危険サイン
- 売掛金の増加(売上以上の伸び)
- 在庫の増加(売上比で)
- 現金の減少
- 粗利益率の低下
これらは資金ショートの予兆です。
よくある勘違い
「税理士がやるもの」
違います。経営者のための資料です。税理士は税務申告のために決算書を作りますが、月次決算は経営判断のためのものです。
「年1回で十分」
違います。それでは手遅れになります。月1回の頻度が最低限です。
「利益だけ見ればいい」
違います。現金も見ます。損益と資金繰りの違いで構造を整理しています。
月次決算を早くする方法
① クラウド会計の導入
freee・マネーフォワード・弥生クラウドなど。銀行口座連携で自動仕訳化が進みます。
② 領収書の即入力ルール
経費を発生から3営業日以内に入力する社内ルール。受領→撮影→アップロード→自動仕訳の流れを確立。
③ 請求書の電子化
電子請求書サービス(Misoca・MakeLeaps等)で発行と入金管理を自動化。
④ 入金管理の自動化
銀行APIとクラウド会計の連携で入金確認を自動化。
月次決算チェック後の活用
数字を集めるだけでは不十分です。月次経営会議で次の論点を議論します。
- 前月の異常値の原因
- 今月の改善アクション
- 翌月以降の予測と対策
- 数字が示すリスクの早期発見
詳細な数字活用は経営ダッシュボードの作り方で整理しています。
経営者が毎月見るべき数字
- 売上
- 利益
- 現金残高
- 売掛金
- 在庫
これに加えて、3か月移動平均で傾向を見ることが重要です。
整理しておきたいこと
経営者の仕事は数字を集めることではなく数字で判断することです。
そのためには数字を早く出す必要があります。整理しておきたいのは「月次決算のスピードは経営スピードそのもの」という認識です。3営業日で締められる体制を構築することが、中小企業の経営力強化の起点になります。
まとめ
月次決算は会社の現在地を知るための仕組みです。
売上・利益・現金残高・売掛金を毎月確認することで、問題を早期発見できます。数字を早く出す会社ほど経営判断も早くなります。
次の記事では経営ダッシュボードの作り方を解説します。シリーズ全体は中小企業の数字経営入門で整理しています。
よくある質問
法的には不要ですが、経営判断のために強く推奨されます。
編集部より(ご利用上の注意)
本記事はファクサポ編集部が、ファクタリングや資金繰りに悩む事業者向けに一般的な情報をまとめたものです。審査基準・手数料・契約条件は各社や状況によって異なり、変更される場合があります。実際のご利用前には、各社の公式情報や、税理士・中小企業診断士・弁護士などの専門家に必ずご確認ください。当サイトは情報提供を目的とし、特定のサービスの利用を保証・推奨するものではありません。
参考(一般的な公的情報源)
記載内容は一般的な目安であり、最新の制度・統計・公式情報は次の各機関や各社公式サイトでご確認ください。経済産業省・財務省・国税庁・厚生労働省・金融庁・中小企業庁。各ファクタリング会社の手数料・対応条件は必ず公式サイトでご確認ください。
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